日本地質汚染審査機構のロゴマーク 日本地質汚染審査機構
−2019年 年初ごあいさつ−

2019年の挨拶

−地質汚染イブニング・セミナー第300回達成と
NPO法人日本地質汚染審査機構創立20周年記念事業
=「地質汚染科学事典」(単元調査法=国土愛)出版にむけて−

 昨年は、私達のNPO法人日本地質汚染審査機構(以下:本機構と呼ぶ)が提唱してきた地質汚染科学の単元調査法にとって、環境科学史にひとつの歴史的事実が残りました。それは、2000年頃に開始された東京豊洲新市場の汚染の調査が、土壌汚染対策法施行規則(以下:施行規則と呼ぶ)による画一的に試料を採取する調査手法(無単元調査法)で行われことです。その結果、水の透しやすい砂礫層や透し難い泥層といった地層単元をも破壊しました。それによって浄化予定が不明になり、期限までに無害化は不可能として小池知事が謝罪しました。しかし、その後に専門家会議から安全性の確認を受け7月31日に知事によって豊洲新市場開場の認可が申請され、築地市場から新市場へ移転することになりました。とは言っても豊洲新市場地下には汚染物質が存在していることは事実です。
 移転までには無害化が不可能であると行政の長である知事が謝罪したことは、環境に対する真摯な態度とも理解できます。しかし、浄化終了の時期も浄化の程度も表明できず知事が謝罪した理由のひとつとして、本機構の単元調査法ではなく、合法的とは言っても施行規則による無単元調査法で調査し、浄化が行われてきたことを挙げることができます。
 しかし、施行規則の調査法では、汚染機構解明ができずそのために浄化もできないことが明らかになりました。環境浄化の戦場では単元調査法が勝利したことは自明です。国土愛とは、みらいのこどもたちのために国土を綺麗な地質環境に修復することです。
 次の戦場は、地質環境に関して縦割り施行される法体系に対し、縦糸と横糸で編み上げた新法体系への移行を工夫・実践することです。会員の御尽力で地質汚染イブニング・セミナーも年末には230回になります。その内容を300回に至るまでの同セミナーにも織り込み、「美しい国土の修復をめざして−地球とみらいのこどもたちのために−」のモットーに一歩でも近づけなればなりません。
 一方、これまでの環境の縦割り行政が生んだ地質汚染の負債は、あまりにも大きい。この解決には、世代を超えた努力も必要であり、また政界・行政・業界・学会ともども真摯に議論し、健全な物質循環の主軸である水循環の維持が必要であることも痛感します。ここで振り返ると、私達のモットーともシンクロナイズし、実践を心強くする味方が政府の施策のなかにふたつあります。そのひとつが、2014年7月1日に施行された水循環基本法で、もうひとつが2011年3月開始(環境省による)の「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」です。未来の子供の命を守り、そして浄化・修復した美しい日本列島を引き継ぐために、このふたつの施策は最も重要な課題と思われ、本機構も政府の両施策の達成に尽力いたします。そのためにも、セミナー第300回と本機構創立20周年記念事業「地質汚染科学事典」の出版とを達成しましょう。
 最後に、科学的調査法を指導できる本機構には、愛すべき美しい国土を作るために産官民の各組織に単元調査ができる地質汚染診断士を一人でも多くする責務があります。

NPO法人日本地質汚染審査機構 理事長
理学博士・茨城大学名誉教授
楡井 久
(地質汚染診断士・地層液流動化診断士)

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