NPO法人日本地質汚染審査機構

第33回地質汚染調査浄化技術研修会(座学) Q&A

2024年5月17日・24日に開催いたしました第33回地質汚染調査浄化技術研修会・座学オンライン研修の参加者からいただいた『ご質問や業務での困りごと』について回答いたします
尚、いただいた質問のうち、予算に関する内容・特殊な技術に関する内容等は回答として掲載しておりませんのでご了承ください。



講義での質問 / ご自身が担当している業務での困りごと


講義での質問

Q.1
本日はありがとうございました。風岡先生の講義(3および4)において、高濃度部分は自由地下水面付近と難透水層の直上に確認されるというお話がありました。難透水層直上に高濃度部分ができるのはイメージしやすかったのですが、水面付近が高濃度となるのは、どのような理由なのでしょうか?
A.1
水面付近が高濃度となる理由はこれまでの経験上、現場の状況によって様々(ケースバイケース)であるという事例が多いです。


Q.2
通常の土壌・地下水汚染業務では土対法のマニュアル等に従い、淡々と調査を進めているイメージがある。本日の講義のように単元調査法により、水文地質構造及び地下水流動系を把握し、地層中での汚染物質の挙動(分布実態や移動メカニズム)を十分に理解したうえで、効率的・効果的な対策につなげることが重要とは理解するが、技術者の経験や判断力が問われることにもなり、実務レベルではなかなか対応が難しいかもしれないと感じた。
A.2
その通りと思います。今後皆さんでレベルアップしていきましょう。


Q.3
第4回地質汚染調査入門その2 講師 風岡修先生 コアの分析用採取試料が、違う層の境目と話されましたが、土壌汚染調査では、1m毎と習っています。どっちも採取すべきでしょうか?ご教示ください。
A.3
土壌汚染対策法では原則1mピッチで採取することが多いですが、それでは的確に土壌汚染、さらに地下水汚染を認識するには不十分です。簡易分析でもよいので、層の境目も調べることが必要と考えます。


Q.4
第4回で紹介されていた詳細調査の方法(コア採取、観察、現地分析、埋戻し)で、1地点・深度10m当たりの調査時間はおよそどのぐらい掛かるのでしょうか。地質や汚染状況によって調査スピードは変わると思いますので、回答しやすい条件で構いません。
A.4
ボーリングマシンのオペレータ&助手2名、コア観察1名、現地分析1名の計4名体制とした場合
10mボーリング1地点で概ね1日~2日作業となります。
※ただし、マシンの仮設や撤去作業にかかる時間は含みません。
※VOC汚染の場合は、汚染が確認された場合に汚染拡散防止の観点からセメントミルクによる埋め戻しが必要になるため、1日中に終了させる必要もあります。


Q.5
シルト~粘土の境となる粒径が75µmと62.5µmの二通り解説されましたが、どういうことでしょうか?
A.5
日本においては、土質工学と地質学では粒径区分が異なります。
砂と泥(シルト)の境となる粒径につきましては
①土質工学での分類(インチ単位の区分:75㎛)と
②地質学上の分類(メートル単位の区分:62.5㎛)
の、2通りの区分があります。
汚染調査においては、②地質学上の粒径区分を用いることが多いです。


Q.6
本日は、ありがとうございました。不勉強で申し訳ないですが、土壌のボーリング調査においては、現行の1m毎では不十分な為、単元調査法に置き換わるとの理解で宜しいでしょうか。
それとも、あくまで、調査において、正確に把握する手法との理解で宜しいでしょうか。
本法の立ち位置をお伺いしたいです。
A.6
現行の土壌汚染対策法に基づく調査が単元調査法に置き換わるものではありません。

ここで、土壌汚染対策法においては、原則1m毎の試料採取となっております。
ただし、1m毎の試料採取では精確に汚染状況の把握は困難と考えられます。
区域指定の解除に伴っては地下水汚染の状況も把握しなければ困難であり、実際にはより詳細な試料採取や地下水に対する調査が必要となり、単元調査法が必要となると考えます。 (1mピッチの試料採取では効率的な浄化対策には至らないこもも多いです。)


Q.7
風岡先生の講義にて、コアの対比の説明におきまして、間に断層がある場合等も想定されるかと思いました。第四紀層ではあまりないと思いましたが。意見です。
A.7
おっしゃる通りで、断層は第四紀層でも見られることがあります。


Q.8
風岡様の講義の中で「千葉県では4mピッチで調査を行う」とありましたが、条例でしょうか?
A.8
条例ではありませんが、10mピッチでは表層汚染が見つからないケースが多いです。


Q.9
風岡先生と思いますが、汚染対策で揚水した水の処理はどのようにしますか
A.9
汚染対策で揚水した水は、現場状況や汚染物質に適した水処理を行います。


Q.10
従来の土対法のやり方が今後単元調査法(ガイドライン)がかわるということでしょうか?それとも、場合によっては協議のうえで単元調査法をコンサルとして提案していくということでしょうか?お忙しいところすみませんが教えて頂ければと思います。
A.10
土壌汚染対策法に基づく調査手法が変わるということではありませんが、汚染状況を的確に把握する手法として単元調査法がありますので利用してください。


Q.11
第4回 地質汚染調査入門その2の地質汚染調査手順の概要で、表層汚染調査では4m以下のメッシュ交点で汚染物質の濃度測定を行うとありましたが、これは地質汚染機構解明調査での方法であり、地歴調査結果における土壌汚染の可能性がある土地での概況調査では10mメッシュに1箇所で行うということでよろしいのでしょうか。
A.11
土壌汚染対策法上は、汚染のおそれが比較的多いとされ、全部対象区画とされた単位区画(10mメッシュ)の場合は、単位区画に1箇所で調査を実施することになります。 しかし、10mメッシュに1箇所では汚染が見つからいことも多いため、本講習では4mメッシュでの調査を推奨しております。


Q.12
「第5回地質汚染調査・土壌汚染状況調査概論」
GERASの模式図を確認させていただきましたら、”毛管帯”が記載されていました。
”毛管帯”の扱いとしては飽和帯と不飽和帯の中間的な位置付けとしているのでしょうか?
A.12
講座内では、毛管水縁と説明されましたが、毛管帯と同じ意味です。
空間的には、飽和帯と不飽和帯の境界に存在します。
毛管帯の詳細につきましては、「地下水資源・環境論-その理論と実践-(共立出版)」p.76に記載されておりますのでご参照下さい。
なお、毛管帯は飽和帯と不飽和帯の境界にあり、水飽和率は比較的高いです。重力による下向きの動きと毛管圧による上向きの動きが混在して、汚染物質の動態がかなり複雑になります。


Q.13
第4回地質汚染調査入門その2
地層の色調について
VOCや油汚染のある地層で薄層状に青灰色や緑灰色を呈する箇所を確認したことがありますが、他の重金属類などの汚染において特徴的な色調を呈する場合はあるのでしょうか。
A.13
地層の還元状況に伴い、青灰色や緑灰色を呈する場合もあります。
また重金属汚染の影響により、特徴的な色調を呈する場合もあります。


Q.14
第4回風岡修先生への質問:単元調査法でのボーリングによる採泥では、難透水層を貫通してボーリングを行ったときに、汚染物質を拡散させてしまう恐れがあるのではないかと思いますが、地層の調査として難透水層を事前にキャッチするなどの方法はないのでしょうか。
A.14
汚染の拡散の防止につきましては現場におけるボーリング調査にて経験する難しい課題です。難透水層の事前の推定は容易ではないかと思います。講義でも説明させて頂きましたが、基本的には当該サイトの地質、水理地質を事前に検討し、当該区間に対しては慎重にコア採取を行い、地層の汚染や地下水(循環泥水)の汚染の状況を現場にて測定・確認しつつ、ケーシングパイプ挿入や循環泥水の交換を行いつつ、下位に汚染を落とさないことが重要となります。さらに、現場で出来るだけのことをしても、それでも汚染の拡散を生じさせてしまう場合にそなえ、セメントミルクでの迅速なボーリング孔の埋め戻しなどの準備も重要となります。


Q.15
◆地質断面図の不確実性に基づく汚染の評価について
地質断面図では見かけ上、地層の連続性が良好で一次帯水層で調査を打ち切ったとしても、実際には層厚の減少・連続性に乏しいなど不透水層が途切れ、汚染が下方に拡大していることも考えられますが、このような懸念にどのように対処していますか。
A.15
(Q.14の回答と同じとなります)


Q.16
第六回の講義内で、「場合によっては、3m程度掘削する場合もある」とのことでしたが、3m手掘りする方法を教えてほしいです。ハンドオーガーで掘削できる現場はそれで可能なのかもしれませんが、それ以外にあれば、ぜひ参考にしたいです。
A.16
表層ガス調査であれば、スウェーデン式サウンディング試験やコーン貫入試験による穿孔でも掘削が可能です。


Q.17
成澤先生へ:ベントナイトペレットですが、水質によって膨張する時間が異なることはありませんか?例えば塩水が浸入しているところや、汚染物質などの影響は?
A.17
塩水中をはじめ様々な物質が混入している水質の場合、ベントナイトペレットが当初の性能を果たさないことが報告されています。
水質に対しまして危惧される場合は、現地の水質にて、事前の試験、確認を行うことが必要となります。
この件につきましては、以前、「地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会 」などで、発表があった気もするのですが、何年の研究集会であったかの記憶がありません。


Q.18
第2回土壌汚染状況調査について 成澤昇先生
顧客より、地歴調査無しで、土壌ガス採取無しで、いきなり10m×10m区画で全区画の土壌採取して全項目(1種2種3種)分析してほしいと依頼されたのですが、1種について土壌ガス採取無しで、いきなり土壌採取分析しても良いのでしょうか?
A.18
まず、土壌汚染対策法に基づく調査なのか?それとも自主調査なのか?によって考え方は異なります。
不動産売買や土地の資産の管理等の自主調査の場合は、実施される方々のお考え次第と思います。

次に、土壌汚染対策法に基づく調査の義務、調査命令に基づく場合です。
土壌汚染対策法においては、まず、地歴調査を実施いたしますが、この結果、調査対象地の汚染のおそれの区分(ない、少ない、比較的多い)を行い、その結果に基づき、区画の区分(全部対象区画、一部対象区画、対象外区画)を行います。そして、一部対象区画に対しては、第一種に対しては90m格子の中心の単位区画の中心にて土壌ガスを採取しますが、全部対象区画に対しては、全部対象区画内の「土壌汚染が存在する可能性が高い部分」において土壌ガスを採取することとなります(ガイドラインP240下段参照)。 したがって、地歴調査を行わなかった場合、すべての単位区画においてボーリング調査、試料採取を行ったとしても、その単位区画内において「土壌汚染が存在する可能性が高い部分」で行えているか否かが問題となります。一律にて単位区画の中心で行うではアウトです。 したがいまして、結論として、地歴調査無しで、いきなり土壌採取分析を行うことには問題ありとなります。
なお、地歴調査を実施した後、土壌ガス調査を省略し、単位区画ごとのボーリング調査を行うことは、認められています。(ガイドラインP239中段~P240フローチャート参照)。


Q.19
檜山様の講義で絞込を見据えて4mの調査を提案しているとありましたが、最小単位の絞り込みは平面範囲および深度範囲でそれぞれ何m単位が妥当とお考えでしょうか。
A.19
1m程度まで絞り込めば高濃度範囲の把握にあたり妥当であると考えますが、調査の目的によって様々な考えもあると考えます。平面範囲では0.5m毎の範囲まで実施した例もあります。

深度範囲に対しては、土壌汚染対策法では深度0.80~1mの1深度で土壌ガスを調査しますが、講義でお話した調査手法ではサイトの地質や調査目的に応じて異なります。


Q.20
檜山先生の講義で土壌ガス調査の4mメッシュとありましたが、4mの根拠とその取り方(図で)教えていただけないでしょうか。
A.20
10mメッシュに1箇所では汚染が見つからいことも多いため、本講習では4mメッシュでの調査を推奨しております。


Q.21
成澤講師に質問です: 帯水層をまたいでスクリーンを設置してしまった井戸の閉塞で 井戸内の充填はできても外側の充填に問題がある…とのことでした。 このようなことを防ぐ方策は? 講演の後半に言及されていた、薄いミルクによる打ち上げでしょうか。
A.21
帯水層をまたいだスクリーン(マルチスクリーン)を設置してしまい、地下水汚染拡散のリスクがある場合は、残念ながらセメントミルク充填では閉塞が難しい場合があります。
その場合は、井戸管の外側の充填物を取り除くように被せ掘り(井戸設置時よりも大きな掘削径によるケーシング掘り)などを行う必要があります。
ただし、深度が深い井戸などは困難な場合があります。


Q.22
1.不圧地下水の汚染が被圧地下水に及ぶ原因として考えられるものは、自然要因としてどのようなものが考えられるのでしょうか?
2.50cm以深のコアを見る場合は、振動型では見れないと思った方が良いのでしょうか?
A.22
1.不圧地下水(第1帯水層と仮定)の地下水位が被圧地下水(第2帯水層と仮定)の地下水位よりも高い場合、水理地質構造によっては汚染物質が地下水の流動とともに被圧地下水に及ぶことが考えられます。

2.振動型(バイブロ式ボーリングマシン)でも、ロータリー式ボーリングマシンでも、掘り方次第で乱れの少ない試料が採取できれば特に問題ないと考えます。そのため、コアを詳細に観察する必要があります。


Q.23
第8回地下水汚染調査の成澤昇講師への質問です。
電気探査は、地質・帯水層の区分としてとありましたが、地下水の有無としても有効なものなのでしょうか?例えば、観測井を設置する前に、先に電気探査をすることで観測井設置の確認としてもよいのでしょうか?お忙しい中ではありますが、よろしくお願い致します。
A.23
地質や帯水層の区分を行うにあたって、ボーリング調査時において電気検層を行うことはたいへん有効となります。
機会がありましたら、是非とも電気検層を行ってみてください。
一方で電気探査ですが、こちらも地下の地質や水理地質を推定する上では有効となります。私も数10年にわたり、地下水や温泉の開発に対して、電気探査を利用してまいりました。 しかしながら、電気検層におきましては、ボーリング調査時に数cmの間隔におきましても地質の比抵抗値などを観測することが可能ですが、電気探査におきましては、仮に高密度の電気探査法を用いたとしても、その測定間隔、得られる値は数m間隔のみかけの比抵抗値となることが現実的ですし、地上からの電位や電流の測定による地下地質の推定となりますので、電気検層のような正確な帯水層の深度の把握は難しいことと思います。
(おおよその地下の水理状況、帯水層の位置の推定には役に立ちます。地質の情報がないサイトでは、まず電気探査を実施し、その結果に基づき、ボーリング調査にて確認することも一案です)
その他、大規模な油汚染などの現場や廃棄物の埋立ての現場にて、その汚染状況を把握するために電気探査を行うこともあります。
以上、地下水汚染調査では電気探査を用いることは少ないことと思いますが、電気探査の特性を考えた上で現場に応用することは大いにありと考えています。
電気探査につきましては、以下の㈱日本地下探査さんのホームページなど参照されると良いと思います。
株式会社日本地下探査|防災調査、埋設物調査、空洞調査、地熱開発など (chikatansa.co.jp)


Q.24
既に汚染源の施設がない場合、調査費用や対策費用はどうなりますか
A.24
汚染原因者が明確な場合は、費用の請求が可能となる場合もありますが、実際には難しい場合もあります。


Q.25
ボーリング調査時の宙水の判定方法を教えてください。
既往調査結果がない場合などは、周辺の地形・土層構成を踏まえた上での判定になりますが、なかなか難しいと感じます。
簡易的な地下水位の判定方法として、無水掘削の初期水位を孔内水位の最高水位として、不圧地下水位(自由地下水位)とすることが多いなか、どのように地下水位、宙水の判定を行っていますか。
A.25
ご指摘の通り、宙水の事前の推定は容易ではないかと思います。
私どもも判定に迷うことも多々、経験しています。基本的には当該サイトの地質、水理地質を事前に検討し、ご質問の通り、ボーリング時に当該区間に対しては慎重にコア採取を行い、含水の状況、孔内水位などにより判断することとなりますが、ボーリング時は水位が観察されなくとも、翌日、現れることもあるかと思います。土対法におきましては、宙水が年間を通じて存在し続けるかの確認を求められますが、難しい課題かと思います。また、その現れた水が宙水なのか、それとも下位の帯水層と連続しているのかの判断も難しいことがあります。このような場合は、宙水層と下位の帯水層に自記の水位計を各々設置し、細かな水位の観察を行うことも有効となります。


Q.26
1)ボーリング調査により、「汚染を拡散させないように良く考えること」の説明がありましたが、具体的にはボーリングによる柱状採泥の後は、難水地層を貫通している場合、どのように処置をしておくのでしょうか。
2)実際に浄化処置を行うまでには、数年かかることもあり、例えば汚染の広がっていない第3帯水層などにも何本かの穿孔があれば、新たに拡散してしまうことになるのですが、対応はどのようにするのでしょうか。
A.26
1)ボーリング後に難透水層を貫いてしまった場合ですが、速やかにセメントミルク等によって、孔を塞ぐ(孔の下から塞ぐ)ことが第一に考えられます。
「地質汚染現場における汚染機構解明調査の手順」P45参照
地質汚染現場における汚染機構解明調査の手順 -地下水汚染の浄化対策として-/千葉県 (chiba.lg.jp)
(対象が不飽和の部分であり(今後も不飽和が続き)、かつ汚染が見られなかった場合(今後も汚染が発生しない場合)は清浄土による埋め戻しでも実際には問題ないと思います。)

2)汚染の進行は時間の経過とともに、深度方向に拡散することも多々見受けられます。
 対策ですが、基本的には、当初にボーリング調査時、および観測井掘削時に、汚染の拡散が起こらないように、ケーシングやセメントミルクを用い、浅部の帯水層から深部の帯水層へ汚染が拡散しないようにしなければなりません。 ご質問におきましては「例えば汚染の広がっていない第3帯水層などにも何本かの穿孔があれば、新たに拡散してしまうことになる」とありますが、当初のボーリング調査時、ならびに観測井設置時に、第一帯水層や第二帯水層から第三帯水層への汚染の拡散が起こらないように、設計することが重要です。
仮に、調査会社の設置したボーリング孔や観測井が原因で汚染が下位に拡散してしまった場合は、調査会社にて責任を取っている事例も存在します。
調査会社は大変な損失となりました。
拡散防止の方法につきましては
環境省からの土壌汚染対策法のガイドラインのAppenix 11000076380.pdf (env.go.jp)
もしくは、千葉県からの
「地質汚染現場における汚染機構解明調査の手順」P31~P34
地質汚染現場における汚染機構解明調査の手順 -地下水汚染の浄化対策として-/千葉県 (chiba.lg.jp)
をご参照ください


ご自身が担当している業務での困りごと

Q.1
地質系の学部卒ではないのでどのように知識をつけていけばいいのか資格間の分野や知識の体系などありましたら知りたいです。
A.1
地質系は専門用語が多く覚えるのが難しいですが、当NPOでは様々な分野の専門家が在籍しておりますので、ぜひ交流を深めていただければと思います。
また、当NPOではご参加いただいた研修会のほか、イブニングセミナーや現地研修会なども開催しておりますので、奮ってご参加いただければと思います。
NPO法人 日本地質汚染審査機構 /地質汚染・災害イブニングセミナー
NPO法人 日本地質汚染審査機構 / 技術研修会のご案内


Q.2
ボーリングコア観察時に、砂混じりシルト、砂質シルト、シルト混じり砂、シルト質砂といった層の具体的な区別が分かりづらい。現場での目安や判別のコツ等があれば知りたい。
A.2
砂質シルト~シルト質砂間は言われる通り区別が難しいところになります。
当NPOでは、実試料を用いたコア観察・記載の研修を実施しておりますのでぜひご参加下さい。
NPO法人 日本地質汚染審査機構 / 技術研修会のご案内


Q.3
盆地を流れる大きめの河川に隣接するやや広い河間低地において100m程度の間隔で複数箇所のボーリング調査を行ったところ、深さ4m程度から良質な透水層(礫層)になり、深さ5m~6m程度に不圧地下水の地下水面が確認されました。各箇所の透水層の粒径などの特徴はほぼ同じなのですが、色調が異なり、赤褐色の場所と暗灰色の場所があります。なお、パージを行った際の水位の回復は赤褐色の箇所の方が顕著に早い状況でした。この場合、地下水の流動としては別の系統になるのでしょうか。もしくは、地下水の涵養域からの距離や地下水流動の本流部分と端になる部分を示しているのでしょうか。ご教示ください。
A.3
ご質問の文面のみからでは、当該サイトの状況の詳細が判断できず、適した回答が難しいのですが、赤褐色の部分は地下水面の季節変動に伴う上下により酸化されたことによる変色かと思われます。 パージを行った際の水位の回復は赤褐色の箇所の方が顕著に早い状況とのことですが、当該サイトは河川に沿った低地部、おそらく沖積層と思われますが、過去の河川の流路に伴い、地質状況は等方、均一ではなく不均一の場合も多いかと思います。連続性も様々と思います。また、当該の地下水は不圧地下水と思われます。以上より地下水の流れ(透水係数と動水勾配に支配されますが)は、局所的に異なることも推定されます。大きな目で見れば一つの浅層の地下水の流れでも、局所的には流速は大きく異なることも推定されます。


Q.4
土壌、地質の仕事についてまだまだ知識・経験が浅いため、勉強していくうえで、わかりやすい書物等あれば、紹介いただけると幸いです。
現在、青森県内で働いていますので、東北地方での研修や講習会があると参加しやすいです。
A.4
当NPOにおいても書籍を販売しております。
ホームページよりご購入頂けますのでぜひご検討ください。
NPO法人 日本地質汚染審査機構 / 書籍について


Q.5
建築基礎設計のためのボーリング調査(基礎地盤調査)を計画しております。
敷地は病院であり、既設建物を取り壊し、新たに建築するため支持層の把握を目的とした調査です。
病院側の事業計画では、基礎設計のためのボーリング調査を先行し、その後、土壌汚染調査を発注・実施するとのことでした。
現時点で、建物計画範囲における土壌汚染の有無は不明です。
(古い病院なので、おそらく汚染の可能性は高いと考えます)
このように、汚染状況が不明な敷地で基礎設計のボーリング調査を先行する場合、二次汚染対策の要否を教えて頂けないでしょうか。
また、対策を行うのであれば、どの程度の内容でやることが適切とお考えでしょうか。
(1m毎の器具洗浄、オールケーシング、簡易水質検査、泥水入替え、産廃処理など)
二次汚染対策を施して基礎設計のボーリング調査を行うことが最善ですが、費用や期間の制約もあり、実績豊富な方々の意見を伺っております。 最大手の地質調査会社の土壌汚染対策担当者に聞いたところ、よくあるケースで汚染拡大防止策は行っていないとのことでした。
(ナーバスにならなくてよい、とのこと)
県行政担当者もはっきりとは言いませんでしたが、最大手の地質調査会社と同様のニュアンスでした。
A.5
汚染が推定されるサイトにおいて、基礎設計のボーリングを実施する場合は、孔底からセメンチングを行い、汚染の拡散を防ぐことが推奨されます。


Q.6
土壌掘削時に発生する湧水(泥水)を処理する場合、排水は一般排水基を遵守すれば問題ないか?例えばフッ素では地下水基準の0.8mg/lではなく8mg/lをクリアすれば排水桝に放流してもよいか?
A.6
放流先によって排出基準が異なるので注意が必要です。
自治体の上乗せ基準や総量規制もありますので、事前に確認をお勧めいたします。


Q.7
公共工事の際、ガイドラインに無い調査を実施する場合、役所が動かない場合があると思います。また、決定権も所管の役所にあるような場合、どのような対処をするべきか悩むことも多々あります。自身の説明不足もあると思いますが、解決事例等があれば教えてください。
A.7
汚染の機構解明調査が必要な場合は、本研修会で実施した調査方法等で進めないと、千葉県などでは厳しい指導が求められる場合があります。


Q.8
観測井があるにも関わらず、地下水が観測井の中に無いとなった場合。どのようなことが考えられるのでしょうか?
A.8
① 当初よりも地下水位が観測井設置深度よりも深い場合
② 何らかの要因によって地下水位が観測井設置深度よりも下がった場合
③ 観測井の設計および施工が不適切だった場合
などが考えられます。