セルビア共和国パンチェボ市における産学官民の協働による環境改善推進事業
セルビアの地下水汚染問題解決のために
令和6年6月12日(水)に、ひょうご環境創造協会主催のJICA草の根技術協力事業「セルビア共和国パンチェボ市における産学官民の協働による環境改善推進事業」による訪日研修が開催され、セルビア人の研修生4名を迎え、NPO法人日本地質汚染審査機構、関東ベースン実習センターにて、本法人の理事長他、専門家による地質汚染技術研修会を実施いたしました。
セルビア国のパンチェボ市では、コソボ紛争において、1999年に南部工業地域がNATOの空爆をうけ、石油化学工場の原料タンクが破壊・漏出し、深刻な地下水汚染が発生しています。また、浅層地下水の窒素や塩素等の汚染も確認されています。水道水源の多くを地下水に依存する同国において、こうした問題の自主的・自律的な解決を支援するため、地質汚染問題の理解を促すとともに、問題解決のためのスキームとして水文地質構造を把握する重要性と、適切な観測井戸群を構築してモニタリングする意義を解説しました。また、実際に地質ボーリングコアを観察し、センターに設置された観測井戸で深度別地下水採取法を講習しました。研修員からは積極的な質問が行われ、活発な議論が展開されました。
NPO法人日本地質汚染審査機構は、海外における土壌・地下水汚染問題にも積極的に関わりを持ち、研究や技術交流、支援等を通じ、地球上の健全な水循環の維持・回復に務めて参ります。