NPO法人日本地質汚染審査機構

神栖市有機砒素地質汚染危機管理システム(地下水位モニター)

 2003年3月17日茨城県神栖市(旧:神栖町)で有機砒素地下水汚染による住民の健康被害が発生しました。茨城県潮来保健所の協力を得て、茨城大学広域水圏環境科学教育研究センターでは、楡井久教授を団長とした調査団を組織し汚染機構解明を目的として神栖市周辺の調査をしてきました。
 この結果この地域の地下水流動系には、南西方向と西北西方向との2つの系統があることがわかり、地下水汚染井戸群は、前者の地下水流動系内に分布していることが示されました。また、綺麗な非地下水汚染井戸群は、後者の地下水流動系内に分布しています。したがって、こ の流動系を維持し、汚染域と非汚染域とに区分けをすることが、今後の神栖市の地下水利用や土地利用にとって非常に重要です。
 この地下水流動系の持続的維持は、神栖市の地質環境の危機管理から明らかな水文地質構造のもとに深度(地層単元)別観測井群(システム)を構築し、地下水位と水質の常時監視を行う必要があると考えられます。
 茨城大学広域水圏環境科学教育研究センターでは、2003年度文部科学省の科学研究費補助金(特別研究促進費(2))を受け、また、NPO法人日本地質汚染審査機構の協力で、この地区に4箇所に深度(地層単元)別の観測井を作成しました。この観測井のうち文部省科学研究費で設置した各Kamisu-1A,Kamisu-2A,Kamisu-3B,Kamisu-4Aの観測井4本とNPO法人地質汚染審査機構が設置したKamisu-1C,Kamisu-4CまたはKamisu-2D,Kamisu-4Dの観測井4本の計8本の地下水位のモニタリングを実施しました。各観測井の位置は、下図の通りで、各観測地点には3~4本の地層単元別の観測井が設置されています。
 観測井番号Kamisu-1A,Kamisu-2A,Kamisu-3B,Kamisu-4Aとあるものは、この地域の基盤岩(更新統)直上に存在する良質の礫層に設置した観測井で、深度は場所によって違いますが、約30m~50mです。

※本事業は終了致しました。



神栖市有機砒素地質汚染現場地図