NPO法人日本地質汚染審査機構

盛土対策

2022年度 行政からの依頼による審査実績あり

当NPOでは盛土の安全性に関する審査事業も行っております
2021年7月3日に静岡県熱海市で、危険な盛土が原因となった泥流が発生し、人命が奪われる災害となりました。
日本各地に不適切な盛土が数多く存在し、社会問題となっていましたが、この災害を機にさらに盛土に対する関心が高まっております。
当NPOでは、地質環境の保全と安全な利用を目指し、専門的な技術者によって、盛土の簡易調査や盛土地の安定性の審査、盛土地の地質汚染審査事業などを行っております。ぜひ、ご活用ください。
<2022年度 行政からの依頼による審査実績あり>

「堰き止め地形」について

最近になって、盛土に由来する地質汚染や斜面崩壊以外にも、盛土によって出来た「堰き止め地形」において、 都市型洪水による浸水被害の危険性が有ることが分かってきました。

「堰き止め地形」について、その研究の先駆者である当NPO理事長の髙嶋洋(第一工科大学教授)より説明いたします。

「堰き止め地形」とは
日本の都市は、平野や台地といった平坦な地形の上に出来ています。また多くの人がこの平野や台地に家を建てて暮らしています。
都市や農村に降った雨は川となり、地形の高いところから低いところに向かって流れ、川となり、やがて海に至ります。
実は平野や台地といった地形は、長い年月をかけて、川や海などの水の働きによって土砂が運ばれたり、削られたりして形成されたものなのです。
台地が広がる関東平野には、谷津と呼ばれる小さな浅い谷がたくさんあります。 台地に降った雨は、谷津を流れ、川に注ぎます。谷津の低い土地は、水があふれることも多く、かつては田んぼとして使われていました。
しかしながら,都市がだんだん大きくなると、こうした低い土地にも住宅が建てられました。
さらに都市が大きくなると、土地を効率よく使用するため、谷津の浅い谷を土砂で埋め立てて平らにし、街を広げるようになりました。
このときすでに住宅が建っている土地を埋め立てるわけにはいきませんので、埋め立てが可能な田んぼが残るような土地をまとめて業者などが買い取り、盛り土により造成が行われました。
谷津の谷の上流側にすでに住宅が建っていて、谷津の下流側で盛り土が行われた場合、谷津の谷の上流側の土地は低いまま、下流側に高い土地が出来てしまいます。
そして上流側の土地は、あたかも池の底のような地形の中になってしまうのです。
上流側に住んでいる人は、この工事で自分の住んでいる土地が、こうした池の底のような土地になるとは知らされません。
しかしながら、地形的に池の様になっている場合、大雨が降って排水が追い付かなくなれば、水没して池になってしまいます。
気候変動により極端な雨が降るようになった今日、地形そのものが危険性をもつことになりますが、住んでいる人にはまったく気づかれていません。
またこうした地形が全国各地で発見されることがわかってきました。
そこで、こうした危険性があることをわかりやすくお伝えするため、「堰き止め地形」という名前を付けました。
2021年に熱海で盛り土が崩れ大きな被害が出て、盛り土の問題に人々の関心が寄せられるようになりましたが、盛り土には「堰き止め地形」のような新しい課題があることを知っていただきたいと思います。

堰止め地形



当NPO理事長髙嶋洋(第一工科大学教授) 「堰き止め地形」とは
詳細資料PDF(5MG)

NPO法人日本地質汚染審査機構では、大地と人の暮らしに関わる諸問題の解決に尽力してまいります。