NPO法人日本地質汚染審査機構

理事長からのごあいさつ

~2024年 年頭所感~

髙嶋洋理事長

NPO法人日本地質汚染審査機構
理事長 髙嶋 洋 

 新年明けましておめでとうございます。
 皆様方におかれましては、新春をお健やかにお迎えのことと心からお慶び申し上げます。また、昨年はこれまで以上に多くの皆様のご参加、ご支援を頂き、「地質科学による人類社会への貢献」に尽力することができました。深く感謝を申し上げます。
 さて、昨年は3月に国連水会議が開催され、一昨年のアジア太平洋水サミットとあわせ、世界に広く日本の水政策、特に「健全な水循環」への取り組みが伝えられました。国内では、国による地下水プラットフォームの運用が開始され、地下水マネジメントを推進する気運が出てきたところです。地質汚染対策については、千葉県より「地質汚染現場における汚染機構解明調査の手順-地下水汚染の浄化対策として-」が発行されました。しかしながら、地下水マネジメントの主体となる地域におきましては、先進的と目される都市においてさえ、財源の不足や水利権の壁などが課題となり、力強く前進出来ていない状況です。このため、これから地下水マネジメントの展開を考えている自治体も消極的にならざるを得ない状況と推定されます。
 地下水マネジメントの第一歩は、地形・地質に係る情報の収集・整理と科学的な地下水モニタリングから始まります。過去の質・量に係る地下水データを保全・整理し、現在の測定を継続的に実施して未来につなげることが重要です。こうした取り組みは、ちょっとした知識と努力により、実現可能です。もとより、本機構は、地域において長年、地質環境の保全や地下水盆管理に取り組んできた研究者や現場技術者を中心とした組織であり、多くの知見を有しています。本年は、より一層、本機構の技術やノウハウを皆様にお伝えすべく、地質汚染診断士の育成や技術研修による普及を強化してまいります。また、国内のみならず、海外への積極的な技術指導も進めてまいりたいと思います。

 本年もよろしくお願い申し上げます。
2024年元旦